匿名流動型犯罪グループ(トクリュウ)の偽ブランド腕時計広域詐欺事件
高知県警察本部は2024年11月までに、偽ロレックスの腕時計を本物と偽って繰り返し買い取り店へ売却したとして、詐欺容疑で15人の男性(24~51歳)を逮捕した。詐欺被害は、中国四国7県の21店舗にわたり、総額約3,640万円にのぼる。特に高知県内の被害は7店舗で全体の約3分の1の約1,240万円と最も大きい。男性らは10人組と5人組の別々のグループで、それぞれが指示役や売却の実行役、現金の回収役など役割を分担しており、相互の関係性が薄いことから、SNSなどを通して集まった「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」とみられる。
指示役は、15人に含まれていない別の「上位者」とSNS上で知り合い、指示を受けて荷受け役を募集。偽造品は荷受け役に郵送され、荷受け役が自宅の駐輪場に置いた偽造品を実行役が回収して、買い取り店に持ち込んでいたとみられる。グループ内のやり取りは匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」が使用され、回収した現金の「上位者」への受け渡しは、コインロッカーに入れたり、仮想通貨を使ったりする方法だったとのこと。報酬は、指示役が1点につき数十万~数百万円、実行役は数万円を受け取ったとされる。
11月、高知県警は、横浜市に住む大学生(27)と少年(16)の2名を詐欺容疑で逮捕。2人は前述の男性15人が逮捕された偽時計事件の上位者とみられるが、16歳の少年が主犯格、27歳の大学生が腕時計の供給役だったことが判明した。