■事件簿2022

●エアタグの改造品を販売


令和4年11月30日、千葉県警察本部と千葉南警察署は、アップル社製の「AirTag(エアタグ)」を、不正に改造し販売したとして、横浜市の41歳男性を逮捕した。

男性は、3月から7月にかけて音が鳴らないように細工した「AirTag」をインターネットオークションなどで定価の二倍近い価格で販売し、商標権を侵害した(※下記参照)。

警察の調べでは、約60個が売れ、約33万円の売り上げがあったとのこと。捜索では、販売目的で所持していた改造品10個が押収された。

本来AirTagとは、紛失防止機器として、持ち物に取り付けてスマートフォンなどに位置情報を伝えるもので、ストーカー行為などの不正利用を防ぐためにアラート機能があるものだが、無音もしくは極めて無音に近い状態に改造されており、購入者は子どもの見守りや、浮気調査などに利用していた例もあったという。

こうした機能を不正改造したとして摘発されるのは全国でも初めて。


千葉区検察庁は12月20日、被疑者の男性を商標法違反で略式起訴。千葉簡易裁判所は、同日、罰金50万円の略式命令を下した。

※改造がなぜ商標表違反になるのか?!

「アップル社」は、「法令や社会道徳に則さない方法で自社製品が使用されないようにすること」が、管理すべき品質の一部であると捉えており、その一端として前記した音が鳴る機能も用いている。従って、音が鳴る機能を勝手に改変して音が出ない状態あるいは極めて無音に近い状態にしてこれを販売する行為は、商標の持つ機能である品質保証機能を損ない商標を侵害するものである。本事案の場合、「アップル社」が製造した物品が改変されることにより動作が不安定になる可能性も大きいと考えられることから、なおのこと品質保証機能を損ない商標を侵害するものになる。

押収されたAirTag



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