■事件簿2017

●オークションにて複数のアカウントを使用して偽造品販売
 
(平成29年1月 愛知県警察本部(豊田警察署)、福島県警察本部の合同捜査)


平成29年1月24日 愛知県警察本部及び豊田警察署と福島県警察本部は、インターネットオークションで偽ブランド品を販売したとして、愛知県豊明市の男性(56歳)と刈谷市の暴力団幹部の男性(47歳)の2名を逮捕した。捜索場所からは、ロレックスやエルメスなど464点が押収され、その中にはサングラスやかつらもあり、振り込まれた現金を引き出す際に着用していたとみられる。男性らは中国から仕入れた偽ブランド品を、1点あたり1万5千円から4万円で販売し、売り上げはこれまでに1千万円にのぼるという。

平成28年4月に福島県警に「偽物のロレックスが多数出品されている」という匿名の情報提供があり、福島警察署と県警が捜査を開始していたところ、オークションの手続きに使用された携帯電話や口座情報から被疑者が愛知県内にいると判明したため、愛知県警と合同捜査本部を設置した。警察の調べでは、2人は計28人になりすまして、オークションサイトで37の異なるIDを取得し販売していたという。

豊明市の男性については、平成29年5月19日に懲役2年、執行猶予3年、罰金100万円の刑が言い渡され、確定。刈谷市の男性については、同年3月6日付で起訴猶予となっている。

(現場で見つかった偽造品)



●iphone修理店を摘発
 (平成29年5月 京都府警察本部生活経済課及び田辺警察署


平成29年5月31日、アップル社の「iPhone」用のバッテリーや充電器などの偽部品を販売したとして、京都府警は、商標法違反で京都市下京区の携帯電話修理会社社長の男性(39歳)ら4人を現行犯逮捕した。被疑者らは、京都市内や大津市内の4店舗にて、バッテリー交換(一万円程度)や画面の破損修理(一万7千円程度)を請け負っていたが、その際に偽物のバッテリーや液晶を取り付けていたという。一店舗当たり月60万円〜80万円を売り上げていたとのこと。権利者側より警察に情報提供があった。

各店舗からの押収品と、店員の処分結果は以下の通り

店舗

押収品

処分結果

U店(京都)

バッテリー 3点

罰金50万円

G店(京都)

バッテリー、フロントパネル、LEDランプ 29点

罰金50万円

K店(京都)

バックパネル、バッテリー、充電ケーブル 63点

罰金50万円

S店(滋賀)

バッテリー、フロントパネル、バックパネル 39点

罰金50万円、執行猶予付きの刑




●オークションサイトにて偽ロレックスを販売
 (平成29年6月 和歌山県御坊警察署


平成29年6月9日、和歌山県御坊警察署は、インターネットのオークションサイトにてロレックスの腕時計の偽造品を販売したとして、商標法違反の疑いで、美浜町和田のリサイクル店経営の男性(53歳)を逮捕した。男性は、三重県の男性に対し、代金4万7千円で時計を販売したが、警察に対し「ノベルティーなので、偽物ではない」と供述したという。
結果、略式起訴され、男性には30万円の罰金が科された。




●フェンディの偽キーホルダー販売
 (平成29年5月 広島県警察本部生活環境課


平成29年5月18日、ネットショップにてフェンディのキーホルダーの偽造品などを販売したとして、商標法違反の疑いで、廿日市市大野の女性(35歳)を商標法違反の容疑で逮捕した。正規品であれば定価約18万円するキーホルダーを、1個約1万円で販売していたとのこと。自宅からは、フェンディ、グッチ等191点の偽造品が押収された。
結果、女性には罰金50万円の略式命令が下された。


(押収品)


●デコバーキンを店舗で販売
 (平成29年5月 岐阜県岐阜中警察署)


平成29年5月15日、岐阜中警察署は、岐阜市羽根町に構える店舗で、エルメスに類似した商品を販売したとして、会社役員男性(44歳)と妻(42歳)を商標法違反の疑いで逮捕し、店や事務所から約130点の偽造品を押収した。匿名の通報が警察にあったことより事件が発覚。被疑者らは、店舗以外にネットサイトでも販売していたという。エルメス社のバーキンに似せた商品に、ラインストーンで装飾が施されたものなどを販売していた。
(*バーキン等は、商品の形状が立体商標として登録されています。)
結果、法人に対し罰金30万円、経営者の男性には、罰金20万円の刑が確定し、妻は起訴猶予となった。

(店内の様子)

その後の警察の調べで、岐阜市の店舗は、名古屋市中区に店舗を構える業者より商品を仕入れていたことが判明したため、平成29年5月25日、名古屋市中区の店舗を捜索し、エルメス社のバーキンに似た形の手提げカバンを販売目的で所持していたとして、経営者の女性(47歳)、及び従業員の男性(23歳)を商標法違反の疑いで逮捕した。店舗からは、エルメスの偽造品15点が押収された。2人は、バッグを1個7万5千円程度で販売しており、商品は中国から輸入したという。
結果、法人に罰金20万円、社長の女性に対し罰金10万円の刑が下され、従業員の男性は起訴猶予となった。

(押収された商品の例)



●エルメスのバーキンに似たバッグを販売で逮捕
 (平成29年4月 新潟県新発田警察署及び新潟県警察本部生活保安課)


新潟県新発田警察署と新潟県警生活保安課は、平成29年4月21日、エルメスの「バーキン」に類似したバッグを販売したとして、新潟市中央区の衣料品販売会社「S」の倉庫を捜索し、商品62個を押収した。(*バーキン等は、商品の形状が立体商標として登録されています。)
その後、平成29年7月13日、商標法違反の疑いで、新潟市中央区の衣料品販売会社「S」社長の女性(35歳)と従業員の女性(38歳)を逮捕した。

権利者側より同社の立体商標を侵害した偽物が販売されているとの情報提供があり、警察が捜査を開始していた。当該の会社はキャバクラ嬢向けドレスなどもネット販売しており、年商10億円を超えていたとみられる。社長の女性は、「オリジナル商品で、商標権を侵害したという認識はない」として否認しており、同年8月、2人は処分保留となったが、新潟地検は、任意で捜査を継続していた。

平成29年9月27日、新発田署は、前述の新潟市の会社「S」に偽ブランドを販売したとして、大阪区大阪市中央区の会社「A」の社長男性(52歳)と従業員女性(27歳)を商標法違反の疑いで逮捕した。平成29年2〜3月頃にエルメスのバーキンに類似したバッグ67個を計18万7,600円で販売していたという。

平成29年10月4日、同「S」社にバーキンに似たバッグを販売したとして、大阪市の西区の会社「T」の女性社長(41歳)を商標法違反の疑いで逮捕した。平成28年11月〜平成29年1月にかけて、バッグ計27点を販売していた。

大阪の2業者の代表らの逮捕、起訴を受けて、平成29年11月22日、新潟地検は、商標法違反で、ドレス販売会社「S」社長(35歳)を在宅起訴し、同社も起訴した。




●フリマアプリで偽ブランドのキャップを販売
 (平成29年8月 島根県出雲警察署)


島根県出雲警察署は、平成29年8月17日に板橋区在住の女性宅を捜索し、「ナイキ」や「Stussy」、「Adidas」などのロゴが入った偽造品の帽子8点を押収。8月30日、商標法違反の疑いで、東京都板橋区の女性(20歳)を逮捕した。人気のフリマアプリのアカウントを不正に作り販売したとして、6月に私電磁的記録不正作出・同供用容疑で男性2人を逮捕し、捜査を進めていたところ、この板橋区の女性がアカウントを47個購入していたことが判明した。

(販売されていた商品の一例)



●モンクレールの偽造品を1,200点押収
 (平成29年11月 静岡県浜松中央警察署)


静岡県浜松中央署は、平成29年11月29日、「モンクレール」の偽造品を販売目的で所持していたとして、大阪府生野区鶴橋の洋品販売業男性(29歳)、韓国籍のアルバイト従業員(27歳)、アルバイト従業員(27歳)ら3名を現行犯逮捕し、ダウンジャケットなど約1,200点を押収した。商品を買い取った浜松市内の買取専門業者が不審に思い警察に相談していた。定価約15万円の製品を、インターネットオークションにて約2万円で取引しており、この2年半で口座には1億数千万円の入金があったという。

その後、平成29年12月28日、警察は、大阪市生野区新今里の男性(30歳)を商標法違反の疑いで逮捕した。すでに逮捕された3名と共謀し、当時アルバイト勤務していた事務所で偽造品2点を販売目的で所持していたとのこと。

平成30年2月、29歳の男性に懲役1年6ヶ月執行猶予3年、罰金50万円、27歳のアルバイト従業員2名に対し、懲役1年執行猶予3年、罰金30万円の刑が確定した。30歳の男性については起訴猶予となった。




●偽ブランド品4,000点以上押収
 (平成29年9月 福岡県博多臨港警察署)


平成29年9月13日、福岡県博多臨港警察署は、商標法違反の疑いで大阪市浪速区敷津西の共同住宅の一室を捜索し、ロレックスやヴィトンなど20ブランド、4,127点の偽ブランドを押収した。また、大阪市の男性(45歳)と会社員男性(40歳)の2名を逮捕した。サイバーパトロールをしていた警察が不審に思い、捜査を開始した。逮捕された2人は発送役を担っており、指南役の外国人が国内にいるとして、警察が引き続き捜査を進めていた。男性らは平成29年10月に略式起訴された。

平成30年2月23日、イスラエル国籍で大阪市浪速区在住の男性(35歳)を商標法違反の容疑で逮捕した。イスラエル人男性は、インターネットサイトで偽ブランド品を販売し、少なくとも2015年6月〜17年9月に約4200万円を売り上げていた。




●エルメスの偽造品販売で夫婦を逮捕
 (平成29年6月 福井県福井警察署及び福井県警察本部)


平成29年6月28日、福井警察署、福井県警察本部らは、エルメスの偽造品を販売したとして、商標法違反の疑いで中国籍の堺市丸岡町の会社役員(41歳)と夫の会社役員(52歳)の2名を逮捕しエルメスなど計422点の偽造品を押収した。中国から商品を国際郵便で輸入し、インターネットオークションで出品しており、財布を約1万5千円〜2万円で販売していたという。メーカーより2月に情報提供があったことから事件が発覚。5月には、中部国際空港の国際郵便物検査場で税関職員が、エルメスの財布12点を輸入しようとしたとして、鑑定依頼したところ、偽造品と判明したこともあり、名古屋税関と連携して捜査を進め、7月18日、被疑者2名を関税法違反で再逮捕した。

平成29年10月16日、福井地裁は、2人に懲役1年6ヶ月、執行猶予3年、罰金50万円、法人に対し罰金70万円を言い渡した。


(押収品)



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