■事件簿2006

偽ブランド品ネット販売の女性逮捕
(平成18年9月  警視庁八王子警察署)


平成18年9月28日、警視庁八王子警察署は「グッチ」の偽物をインターネットで販売していたとして、東京都中野区の会社役員女性(35歳)を商標法違反の現行犯で逮捕し、自宅マンションから偽ブランド商品約430点を押収した。

女性は、平成12年頃からインターネット上でホームページ「B」を開設し、本物と称してグッチやディオールなどの偽造品を販売していた。同ホームページは、ブランド品を安く売る店として、テレビや雑誌などにも取り上げられたことがあり、これまでに約2千万円を売り上げていたという。

平成17年10月頃、グッチ社の日本法人が疑わしい商品をネットで購入したところ偽造品と判明したため、弁護士を通じて警告した。女性は同社に対し「偽物とは思っていなかった。今後はもう仕入れない」などと回答し、一旦ホームページを閉鎖したものの、年が明けると再度ホームページを立ち上げ、偽物の販売を再開したため、それを発見したグッチ社が警視庁に相談をしていた。


●偽ブランド品ネット販売の男性逮捕
(平成18年9月  千葉県柏警察署)


平成18年9月11日、偽ブランド品をインターネットで販売したとして、千葉県柏署は千葉県柏市の「S」社を摘発し、経営者の男性(39歳)を逮捕した。また、同社から「グッチ」など約500点の偽物ブランド品のバッグ等を押収した。被疑者は、インターネット上にホームページ「C」を開設し、本物と称して商品を販売していた。「偽物だと知らなかった」と容疑を否認しているという。

結果、平成19年2月、経営者の男性に対し、懲役1年半、執行猶予3年の刑が下された。


●姉弟がネットで偽ブランド品販売
(平成18年9月  京都府警察本部と京都府向日町警察署)


平成18年9月7日、京都府警と向日町警察署は、インターネット上で偽造品を販売したとして、商標法違反の疑いで大阪府摂津市のネットオークション会社経営の弟S(36歳)と大阪府枚方市の衣料品販売店長の姉(39歳)を現行犯逮捕。会社事務所や倉庫など7ヶ所から時計や衣類、バッグなどの偽造品約2、000点を押収した。二人は共謀してインターネット上での販売目的に偽造品を所持しており、「グッチ」や「バーバリー」など多数のブランドを扱っていた。

弟Sは約3年前に商品販売会社「S産業」を設立。4つの店名を使い分け、ヤフーや楽天市場などに出店していたという。同社は、楽天市場でも「F」として出品。楽天の評価ランキングでは、ベスト3の常連だった。過去にも偽ブランド販売で「グッチ」などのブランドから警告を受けていたが、警告されるとネット上から店と商品を削除するものの、一時的に閉鎖するだけで、また別のショップ名で出品するなど、販売を繰り返していたという。


●商店街の店舗から衣料品1,800点押収
(平成18年9月  神奈川県伊勢佐木警察署)


平成18年9月27日、「ドルチェ・アンド・ガッバーナ」などの海外有名ブランドのコピー商品を販売したとして、神奈川県伊勢佐木署は、横浜市都筑区の衣料・雑貨販売店「H」の代表取締役の男性(59歳)を逮捕した。同署は、5月29日、男性が経営する横浜市中区伊勢佐木町のイセザキモール内の衣料・販売品店「U」の店舗及び事務所兼倉庫を捜索し、「D&G」、「クリスチャン・ディオール」、「バーバリー」等、約1、800点の偽造品を押収している。店舗で購入した消費者が、「洗濯しただけでブランドのロゴがはがれるなど粗末なつくりだった」などと警察に被害を届けたことから事件が発覚。経営者の男性は、「偽造品は中国から輸入していた。服ぐらいなら安いし、ばれても大丈夫だと思った」と供述しているとのこと。

(店舗の様子及び押収された商品の一部)


●熊本で約1千足のティンバーランドの偽造ブーツ押収
(平成18年7月  熊本県警察本部と熊本県熊本北警察署)


平成18年7月8日、熊本県警と熊本北署は、ストリートファッションブランドの偽造品を販売したとして、熊本市内中心部の若者向けの衣料品店8店舗を一斉に捜索し、ナイジェリア人ら11人を逮捕、各店舗から「ティンバーランド」などの靴や衣類等合計約1,000点を押収した。逮捕された11人の国籍は、ナイジェリア人9、エジプト人1、日本人1。年齢は24〜39歳。被疑者らは市内中心部にある8店舗の従業員や経営者で、約2年前ごろから店舗を構え、偽ブランドのTシャツやジーパン、靴などを客との交渉で定価の3千円〜4千円引きで販売していたという。県警には5月ごろ、「客引きされて怖かった」、「偽物を売りつけられた」などの相談が多数寄せられており、6月にはブランドメーカーが商標権を侵害されたとして告訴していた。

(押収された商品の一例)


●ネットで「ティファニー」や「グッチ」の偽造品販売
(平成18年5月  富山県警察本部、富山県高岡警察署、富山県射水警察署)


@大阪市A社(平成18年5月)
平成18年5月17日、富山県警生活環境課と高岡署などは、インターネットで「ティファニー」や「グッチ」などの偽造品を販売したとして、大阪府大阪市の雑貨販売会社Aを捜索し、社長の男M(39歳)と、男性社員K(31歳)および女性社員H(42歳)の計3名を逮捕し、同社事務所から偽ブランド品1、815点などを含む計5、123点を押収した。同社は3年前から全国の約9千人に偽ブランドを売り、総額約1億円を稼いでいたという。

ネットでは、出品者登録をする際にチェックが厳しい法人での登録を避け、個人を装って登録したとみられる。オークションサイトから抹消されても、また別の個人名で登録し直して販売を続けていたことも判明した。

結果、会社Aに罰金100万円、社長Mに懲役1年6月、執行猶予3年、社員Kに懲役1年、執行猶予3年の刑が下され、社員Hは販売への関与が薄いとして起訴猶予となった。

A中央区の卸業者I(平成18年6月)
平成18年6月21日、富山県警生活環境課と高岡警察署などはA社の取引記録などの調査から、偽物を卸していたとして、大阪市中央区の雑貨卸店Iを捜索、経営者の大阪市天王寺区在住の男(54歳)を逮捕し、偽ブランド品数十点を押収した。調べによると、平成17年10月から06年3月にかけて、複数回にわたり「ティファニー」のペンダント4点を計1万円で販売していた。

B東淀川区の5階建てビル(平成18年11月)
富山県警生活環境課と高岡警察署などは、11月29日、大阪市東淀川区東中島の倉庫兼事務所の5階建てビルを捜索し、自称輸入販売業の韓国籍の3容疑者を商標法違反で逮捕した。また、このビルからバッグ、財布、アクセサリーといった偽ブランド品や外箱など計1万3、500点のほか、工作機械や工具約20点を押収した。逮捕されたのは、貿易商(41)、会社員(43)、同じく会社員(39)の韓国人男性3人。県警、高岡、射水署などは、今年6月に大阪市の有限会社Aを捜索し、雑貨卸業の男性(54)=偽造品販売で有罪判決確定済み=を逮捕。その供述などから仕入れもとの内偵捜査を進めていた。

同ビルは5階建ての窓全てが昼夜締め切られた状態であり、縫製用機械、刻印を押す機械、道具類も発見されていることから、警察では同ビル内で製造も行われていたとみて追求している。調べでは、3人は不法滞在を繰り返しながら、中国や韓国から原材料を日本に持ち込み、偽造品をビル内で製造してはブローカーに密売していた模様。偽造品は密売業者から販売業者を通じて全国に流通し、被害者は約1万3、000人、被害総額は1億5、000万円に上るとみられる。県警では、引き続き販売ルートなどの全容解明を急いでいる。

(事務所内の様子)

(偽造品の製造に用いられていた機械)

C豊中市の隠し倉庫(平成18年11月)
平成18年11月30日、警察は、韓国人の男性3人の供述などから、新たに大阪府豊中市内の隠し倉庫を突き止め、ブランド品など約4万1、000点を押収した。詳細は、グッチなど約20ブランドの財布やバッグ、生地、エンブレム、ビス、ホックなどの金具、手書きの製造マニュアル、シールなど。

平成19年1月、富山地裁で大阪市淀川区の韓国人3容疑者の初公判が行われ、3人は起訴事実を認めた。検察側は、貿易商(41)が、1999年ごろ韓国人経営者とともに偽造品を取り扱う会社を韓国に設立したが、商品を送っても日本に届かないことがあったため、日本に製造拠点をつくったことなどを指摘した。
また、これまでの富山県警生活環境課と高岡署の調べで、上記3名が、大阪の雑貨品販売会社とは別の関西の業者とも取引していたことが判明。大阪の雑貨品販売会社が摘発された際には、犯行の発覚をおそれ、偽造品を倉庫に隠したまま韓国に一時逃亡していたことも分かった。

D西区の貸事務所(平成19年2月)
平成19年2月、警察は、公判中の貿易商(41)にグッチの偽造品約5千点を引き渡した疑いで、新たに商標法違反の疑いで韓国人4人を逮捕した。捕まったのは、大阪府堺市の無職の男性(39)、大阪市浪速区の輸入品販売業者(30)、同区の専門学校生(37)と大阪市中央区の大学生(30)の4人。警察は、捜査を進める中、22日までに上記のうち無職の男性(39)と専門学校生(37)の2人を再逮捕し、大阪市西区の貸事務所から新たに偽造品と思われるブランド品約1万点を押収した。「グッチ」と「ルイ・ヴィトン」で2、500点、その他のブランド「コーチ」、「ブルガリ」など計約7、500点。

その後も、警察の捜査が続行している。


これまでの捜査と商品の流れ◆


●バーバリーの偽造品、有名ホテルのテナントで販売
(平成18年12月  千葉県警察本部と千葉県成田警察署)


2006年12月18日、千葉県警生活経済課と成田署は、有名ホテル内のテナントで「バーバリー」の偽の衣料品を販売したとして、商標法違反の疑いで、神奈川県横浜市にある衣料品販売会社本社と倉庫、千葉県成田市内のホテル内店舗2カ所など計十数カ所を家宅捜索した。

押収されたバーバリーの偽造品は、既に鑑定作業が終了して偽造品と確認されたものだけでも約5万点だった。また別に、未鑑定ではるが、カートン数で約2、600箱、約15万点と推測される在庫の存在も確認されている。商品は中国などから輸入されたとみられ、警察は、同社の関係者から事情を聴くとともに、証拠品の整理を急いでいる。

バーバリーの偽造品は、全国のホテル内テナントとして出店し、本物として展示・販売されていた。ブランドの担当者が偽造品の販売状況を確認し、警察に被害届を出していた。


(店舗の様子)

(本社倉庫内の状況)

(押収された偽造品)

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