■最近のTOPICS

◆これまでの偽造品対策の一連の動き
(ユニオン・デ・ファブリカン総会の活動報告より抜粋)


内閣官房「知的財産戦略本部」は、平成17年6月10日「知的財産推進計画2005」を決定しました。この計画に先立ち、ユニオン・デ・ファブリカンは、「知的財産戦略推進事務局」に対し、数回にわたってパブリック・コメントの提出を行い、昨年1年間で下記のような趣旨の提案をしてまいりました。ここでは、当法人の行ったアンケート調査やホームページに寄せられた皆さんの意見も多く反映されています。

○: 推進計画に盛り込まれ、すでに実現、あるいは実現化に向けて
検討中の案件
×: 推進計画に盛り込まれず、現段階では、実現不可の案件

商標法について '04 '05 '06
−偽造品の個人使用目的での所持・輸入の禁止
−仲介行為を商標法に組み込む事
−商標法違反で重過失を鑑みる事 × × ×
−量刑が軽すぎる件についての対策 ○ 法定刑
インターネットの問題について '04 '05 '06
−特定商取引に関する法律の運用強化
−プロバイダ責任制限法で保護されているインターネットでの匿名性の問題 × × ×
−出品者の身元確認の義務化 × × ×
−インターネット・オークション事業者の管理義務の法制化 × × ×
警察・税関の取締強化・手続き上の改善について '04 '05 '06
−パチンコ業界等に対する警察による啓発活動
−告訴状提出の必要性の軽減 × × ×
(現場で解決の方向)
−著名性・周知性・形態模倣の輸入差し止めに関する検討 ×
−差し止め申請の簡略化
−インターネットの画像転送システムを用いた鑑定
その他 '04 '05 '06
−ストップセンターの設置 × × ×

2005推進計画決定を受け、経済産業省、総務省、特許庁らは、各管轄下にある懸案について、具体化に向けて行動を始めました。

まず、経済産業省は、「不正競争防止法」を主管し、「関税定率法」の一部を所管しますが、形態模倣品、周知表示の混同を惹起する製品及び著名表示を冒用する製品を輸入禁制品に追加する関税定率法の改正案を提出し、平成17年4月1日に成立。改正案では、著名表示を冒用する行為や形態模倣の行為に対する刑事罰が導入されました。平成18年3月1日からの施行となっています。

総務省は、「プロバイダ責任制限法」を主管しますが、同法3条に基づく商標権侵害品削除について、ガイドラインを権利者とプロバイダの合議にもとづいて策定すること、また侵害品の削除依頼をすることができる「商標関係信頼性確認団体」の認定を行うことを決定しました。平成17年7月「商標権関係ガイドライン」を公表し、同年9月ユニオン・デ・ファブリカンを、商標関係信頼性確認団体の第一号に認定しました。

特許庁は、商標法に関連して、偽造品の個人使用目的での所持・輸入を禁止することについて委員会で討議を行いました。しかし、「経済法である商標法が個人の行為を律するのはあまりなじまない。従って時限付き特別法で対応すべきではないか」という結論に至り、どのように具体化されるのか不透明な状況です。ただ、対策の必要性から「知的財産推進計画2006」にも偽造品の個人使用目的での所持・輸入を禁止は盛り込まれる予定です。

◆偽ブランド品に関する厳罰化について

上記の知財推進の動きに関連して、厳罰化の動きも具体化してきました。


2006年3月、経済産業省は、特許法、商標法、意匠法、不正競争防止法などの知的財産関連法に違反して偽ブランド品を権利者に無断で輸入、製造・販売した者に対する処分を厳罰化する方向性を示しました。2007年の施行をめざすとの事です。
商標法に関して検討されている改正の内容は以下の通り

*懲役刑:最高5年→最高10年に引き上げ
*罰金刑:最高500万円→最高1,000万円に引き上げ
*法人の罰金:最高1億5千万円→最高3億円に引き上げ
*懲役と罰金の併科→これまで科せなかった懲役と罰金の併科を
できるようにする

◆警察の取締り

警察の取締もますます活発化しています。警察庁の調べによると、平成17年度の商標法関連事件は、取り締まりが増加しており、特にネット関連の取締りが強化されています。
検挙事件数 検挙人員
平成16年度 248 479
平成17年度 326 551

うち、ネットワーク関係検挙数に関して

平成16年度 41 80
平成17年度 65 125
                       
また、パチンコ店の摘発についても、1道2県の警察による取締が行われ、遊技協会にも指導がなされたようで、現在、パチンコ店がブランド品を景品として取り扱うお店が激減し、偽造品が一掃されました。露店の摘発も活発に行われていますが、偽造品対策に断固たる姿勢で臨んできたブランドの販売については、表向き減少し、大っぴらな販売が避けられるようになりました。それに反して、これまで意識が低く対策の甘かったブランドの偽造品が出回るようになりました。偽造品対策に対する権利者の意識や努力の積み重ねが浮き彫りになってきているのが分かります。
◆ネット関連

ネット関連については、まだまだ課題が取り残されているものの、徐々に偽造品対策に対する意識が高まったことや、法整備や体制が整いつつあることから、改善の方向へ向かっています。一部の大手プロバイダでは、パトロール担当者の増員などによる対策強化の結果、オークションサイトの偽造品出品率などが、以前に比べて大幅に減少しました。ただその反動で、閉め出された偽造品業者が、規制がゆるやかな別のプロバイダの主催サイトに移動して、同様の販売を継続するなどの問題点があります。プロバイダ間の情報共有や協力体制を築くことを必要としますが、個人情報保護法との兼ね合いもあり、依然として難しい問題です。

ちなみに当法人は、主要プロバイダに対し、権利者からの依頼に基づき削除依頼を行っていましたが、平成17年1年間で約8万点の削除依頼を行った実績があります。(その他過去の削除実績↓)

2002 2003 2004 2005
1月 4,997 14,031 14,861
2月 9,608 23,760 5,869
3月 1,093 6,975 9,870 15,020
4月 7,972 2,007 26,299 12,039
5月 5,054 5,921 15,660 13,117
6月 6,043 8,106 31,860 4,742
7月 7,294 8,968 22,778 4,478
8月 6,367 3,687 23,992 2,542
9月 1,975 22,943 6,643 1,057
10月 7,527 3,744 25,572 2,525
11月 6,550 30,595 30,625 2,016
12月 20,698 25,039 7,465 2,638
合計(点数) 70,573 129,890 238,555 80,904
                   

引き続き、平成18年6月に取りまとめられる予定の「知的財産推進計画2006」に向けて、ユニオン・デ・ファブリカンは、偽造品対策に関する改善を関係機関に訴えていくつもりです。


 オークショントラブルにご注意!


最近のトラブル報告ですが、オークションに入札した結果、次点以下で落札を逃したユーザーに対して、別の人間が出品者の名前をかたり、「落札者がキャンセルしたので、あなたと取り引きしたい」などと言葉巧みに取引を持ちかけ、本物を購入したと思っている落札者に高額の金額を口座に振り込ませておいて、偽造品を送ってくる事があるようです。それぞれのオークションサイトの注意事項やお知らせ等をお読みになり、トラブルに巻き込まれないようにくれぐれも気を付けてください。慎重に取引商品の内容や、相手の連絡先等を確認することが大切です。

また、同じく最近の報告では、過去の落札者に対して、ID貸し出しの依頼をする出品者がいるとのことです。具体的には、「以前に取り引きをした者だが、毎週○○○円お金を払うから、あなたのIDを使わせて欲しい」というものです。偽造品を扱ったり、詐欺行為を行ったりするなど、消費者の不利益につながる行為をした利用者は、主催サイトの判断によりIDが削除され、再度のID取得もできなくなってしまいます。そのため、問題を起こして新規IDの確保ができなくなった者がID確保のため、有償でもいいからと手当たり次第に依頼して回っているようです。目先の利益に目がくらんでしまうと、偽造品販売など違法取引に加担する結果につながりますので、うっかりIDを貸し出して犯罪に巻き込まれないようくれぐれもご注意下さい。


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