2011年7月、奈良・石川両県警合同捜査本部は、「エルメス」の偽バッグを全国の質屋などに持ち込み、売りつけたとして、商標法違反及び、詐欺罪などの疑いで、大阪市西区の中国籍男性(31歳)ら男女グループ7名を逮捕した。また2012年1月には、仕入れ先の大阪・鶴橋の韓国人業者2名も逮捕し、店舗兼倉庫から偽造品約500点を押収した。
警察の調べによると、詐欺グループのメンバーらは、高速道路利用料金が一律1,
000円だった休日を利用し、全国の古物買い取り店などに「エルメス」の偽造品を持ち込んでいたという。燃費のよいハイブリッド車を運転して移動経費を節約。偽造した百貨店の領収書をみせて「新品で買ったときには87万円くらいした」、「日本限定のバッグ」などと言葉巧みに店側を信用させるなど、買い取りに慎重な店側の盲点を突いた新たな手法で各地の買い取り店から不正に現金を取得していた。また本人確認の身分証には、他人名義の健康保険証を使っていたという。業者から偽造品を8〜14万円で仕入れ、店側に27〜45万円で買い取らせていた。
バッグを買い取った奈良県橿原市内のブランド品取扱店が、ネットオークションに出品したところ、偽物と指摘を受けたことから事件が発覚した。警察は、全国の9府県の13店舗について立件しているが、実際には、約200店舗が被害に遭ったとみられている。
被疑者らは一部容疑を否認しており、現在裁判中で処分結果はまだ出ていない。