■事件簿2009

偽ブランド指輪販売
 (平成21年1月  群馬県警察本部 前橋東警察署)


平成21年1月、群馬県警生活環境課と前橋東署は、商標法違反の疑いで、前橋市文京町のショッピングモール内のアクセサリーショップ「G」および、経営者の男性(44歳)の自宅などを捜索し、ヴィヴィアン・ウエストウッドの商標を付した指輪計39点を押収した。警察に匿名の通報があったことから、偽造品の販売が発覚。経営者の男性は偽造品の販売目的所持で逮捕された。

同店では、「ヴィヴィアン・ウエストウッド風」などと表示を掲げて販売しており、正規店で購入すると約6万円する指輪を、約1万3千円〜1万5千円の値段で販売していた。商品は東南アジアから、約3千円で仕入れていたという。

結果、法人「G」に罰金30万円、経営者の男性に罰金30万円の刑が確定した。

(捜索時の店舗の様子)


●偽ブランド販売 社長ら4人逮捕
 (平成21年1月  埼玉県警察本部、川口警察署)

平成21年1月、埼玉県生活環境課と川口署は、偽ブランドをインターネットオークションで販売していたとして、蓮田市の輸入販売業「Cインターナショナル」の社長K(男性47歳、沖縄県名護市)、と従業員K(男性48歳、名護市)、従業員S(女性29歳、名護市)、従業員N(男性48歳、さいたま市)の計4人を商標法違反の疑いで逮捕した。事務所などからは、グッチの偽造品など約200点が押収された。

社長Kと従業員Kが、中国や香港に商品の買い付けに行き、埼玉や沖縄のマンションを拠点にして、ネット販売していたという。

このグループは以前からネットで偽造品を販売しており、平成18年にも警視庁下谷警察署より商標法違反で捜索された経緯がある。当時、従業員Kが罰金30万円の刑を科されていた。

しかし、新たに消費者から埼玉県警に寄せられた苦情で、このグループが処罰を受けた後も依然として偽造品の販売を継続していることが明らかになり、今回の摘発に至った。警察だけでなく、東京税関も、社長Kら4名が中国から偽ブランド品を国際郵便で密輸しようとしていたとして、関税法違反の罪で埼玉地検に告発した。

結果、社長Kには、懲役2年6月、執行猶予4年、罰金200万円、
従業員K(男)には、懲役2年3月、執行猶予なし、罰金200万円、
従業員N(男)には、懲役2年、執行猶予3年、罰金150万円、
従業員S(女)には、懲役2年、執行猶予4年、罰金150万円の刑がそれぞれ言い渡された。
また、法人に対しては、組織犯罪収益に対する追徴金として、860万円の支払いが命じられた。



ネットで偽ブランドのジーンズを販売
 (平成21年3月  佐賀県諸富警察署)


平成21年3月、佐賀県諸富署は、インターネットオークションで、ドルチェ・アンド・ガッバーナの偽ジーンズなどを販売したとして、佐賀市在住の衣料品等販売会社社長(44歳)を商標法違反の容疑で現行犯逮捕した。会社からは、D&Gの他に、ロレックスの腕時計やルイ・ヴィトンのバッグなど100点以上が押収された。商品は、ベトナムの露店で仕入れてきたという。

(現場の様子)


●リメイクの髪留めなどを製造、販売
 (平成21年3月  警視庁町田警察署)


平成21年3月、ブランド品の余った生地や包装用リボンなどを使い、無断で髪留めなどを製造、販売したとして、町田署は、商標法違反の疑いで、豊島区西池袋にあるブランドショップ経営の男性(47歳、板橋区在住)を逮捕した。

「有名ブランド品リメイクしませんか」、「自分でストラップを作ろう」などと宣伝しているのを警察官が発見して事件化された。

男性は、「ルイ・ヴィトン」のベルトの一部を加工した髪留めを1個7,990円で販売した疑いで逮捕されたが、「試しに作ってみたら客に好評だったため、平成18年頃から販売をしていた」とのこと。

店舗からブランド加工品など約130点が押収されたが、髪留めの他にもブランドのロゴが入った包装用リボンを利用したストラップや、ライターケース、自分で作成するためのリメイク用キットなども販売されていた。

結果、平成21年4月に男性は起訴され、罰金50万円の刑が確定した。

(販売されていたリメイクキットなど)


●車庫を改装してガレージセール
 (平成21年4月  北海道札幌方面手稲警察署)


平成21年4月、手稲警察署は、自宅の車庫をショールームに改造し、偽ブランド品を販売したとして、商標法違反の疑いで札幌市手稲区の夫婦(夫53歳、妻53歳)を逮捕し、「ルイ・ヴィトン」や「シャネル」の偽バッグ計5点の他、偽造品約380点を押収した。

調べによると、この夫婦は、約10年前に韓国旅行した際、偽ブランド品を購入して知人に配ったところ、「売って欲しい」と言われたことを発端に、自宅車庫に陳列棚を設けるなどして、口コミで来店した女性などに販売をしていたという。これにより月30〜50万円の売り上げがあったという。

以前から偽造品を販売しているというウワサが警察にも流れていたが、口コミのため実態がつかめていなかった。

結果、主犯の妻に懲役1年半執行猶予3年、罰金500万円、夫に懲役1年半執行猶予3年、罰金300万円の刑が下された。


●偽ブランドパンツ2,200枚販売
 (平成21年4月  警視庁大塚警察署)


平成21年4月、警視庁大塚警察署は、偽ブランドのパンツを販売目的で所持していたとして、埼玉県川越市の無職男性(28歳)を商標法違反の容疑で逮捕した。自宅からは、アルマーニの下着232点、ドルチェ・アンド・ガッバーナの下着242点、バーバリーの下着78点が押収された。

インターネットオークションで大量に偽造ブランド下着が販売されていたため、関連メーカーが通告を出したが、一向にやめる気配なく販売を継続していたため、警察がメーカーの協力のもと捜索を行った。

警察の調べでは、被疑者は1枚500〜700円で韓国から商品を仕入れてはインターネットで販売し、これまでに約2、200枚を販売し、300万円の売り上げをあげていたという。取調べに対し、「下着なら利益が少ないため取り締まり対象にはならないと思った」などと述べ、容疑を認めているとのことである。

結果、男性に対し懲役1年6ヵ月、執行猶予3年の刑が下された。

(押収されたパンツ)



●偽ブランドなど大量に押収、偽造品販売グループ10人を逮捕
 (平成21年5月  三重県警察本部生活環境課、
             伊勢警察署、松阪警察署、鳥羽警察署)


平成21年5月、三重県警、伊勢、松阪、鳥羽警察署は、商標法違反の疑いで、伊勢市などに在住の男女計10人を現行犯逮捕し、大量の偽造品を押収した。平成16年に商標法違反で逮捕されていた主犯格が再度偽造品販売を行っていることを警察がメーカーの協力のもと突き止め、捜査を開始した。

警察は三重県、大阪府の計12箇所を一斉捜索し、17ブランドの偽造品約4万1千点を押収。その後の調べで、組織を指揮していた伊勢市在住の無職の主犯T(36歳)、伊勢市の無職Y(35歳)、大阪市の雑貨販売業手伝いT(34歳)の3被疑者を再逮捕し、その他の男女7人はリーダー格3名のもとで指示を受けて動いていたことから釈放された。

主犯Tは、以前にも商標法違反で逮捕された事実があり、有罪判決を受けて執行猶予期間中だった。そのため、自らの名前を出して取引することを避け、金に困っていた知人らに声をかけ勧誘し、構成人数30人からなる8グループの販売組織を指揮していた。警察の調べでは、互いに競争させ売り上げを伸ばすようグループ分けをし、それぞれのグループの店長クラスの者に商品を販売し、各グループが独立して、携帯オークションサイトで偽造品販売を行う形態をとっていたという。

主犯Tは、月2回大阪に通い、韓国の密売人から大量の偽造品を仕入れていた。共犯者Yは、偽ブランド品の在庫管理や売上金の保管などを任されており、捜査をかく乱するため、共犯者Tは大阪に住み、全国に荷物の発送を行わせていたものとみられている。

平成20年1月以降、約5万2000点を販売し、売上総額は2億8000万円にのぼる。

平成21年12月、主犯Tに懲役2年4月執行猶予なし、罰金200万円、追徴金56万5、850円の刑が言い渡された。
また、共犯者Yに懲役2年、執行猶予4年、罰金50万円、共犯者Tに、懲役1年6月執行猶予3年、罰金40万円の判決が下された。


(捜索現場の模様)


●引渡条約を初適用し、韓国人逮捕
 (平成21年8月  富山県高岡警察署など)


平成18年の偽ブランド品大量密輸事件の関係で、高岡警察署などは平成21年8月、犯行グループのリーダーとされる韓国人男性(50歳)を逮捕した。

被疑者の韓国人男性は、平成18年9月、韓国人3人(いずれも商標法違反などで有罪判決確定済み)と共謀し、グッチの偽造品など約3、000点を韓国から船で密輸し、大阪市の販売業者に引き渡して商標権を侵害した疑い。富山県警などは、これまでに韓国人と日本人あわせて16人を逮捕したが、この男性は行方がわからなくなっていた。被疑者の男性が中国や韓国を往来していたとみられたことから、富山県警は、平成19年に逮捕状をとり、日韓犯罪人引き渡し条約にもとづき、韓国政府に身柄の引渡を要請していた。

その後、平成21年7月に韓国側から「被疑者を韓国で拘束した」との連絡が入り、富山県警は、韓国仁川国際空港で待機中の中部国際空港行き飛行機の中で引き渡しをうけて、韓国人男性の逮捕に至った。

商標法違反の被疑者の身柄が韓国から日本に引き渡されるのは今回が初めて。

平成21年10月、韓国人男性に対し、懲役3年執行猶予5年の有罪判決が言い渡された。


偽ブランド約1万点を押収
 (平成21年7月  千葉県警察本部、旭警察署)


平成21年7月、偽ブランド品を販売したとして、千葉県警察本部と旭警察署などは、埼玉県八潮市在住の女性(46歳)と千葉県旭市在住の男性(66歳)の二人を商標法違反で逮捕した。埼玉の女性は、偽ルイ・ヴィトンの財布など15点を3万円で千葉の男性に卸し、その商品を男性が旭市内で販売していた。男性は、警察の捜索時、旭市内の駐車場で偽ブランド品計511点を販売の目的で所持していたという。

その後、警察は捜査をすすめ、女性が倉庫として使っていた埼玉県八潮市のアパート一室から約8、400点の偽ブランド品を押収した。また共犯の疑いで、埼玉県八潮市の男性(68歳)も逮捕した。男性は、「品物があるのは知っていたが、関わっていない」と容疑を否認していた。

埼玉の女性は全国約20人の小売業者に偽造品を販売し、平成18年以降、これまでに約1億円の売り上げがあったという。中国にFAXして商品を注文し、船便でコンテナに混載して大型の段ボールに詰め込んで輸入していたとのこと。

結果、女性に懲役3年、執行猶予5年、罰金100万円、
男性に懲役2年、執行猶予4年の判決が下された。

(押収された商品の写真)


●偽ブランドの販売、密輸で逮捕
 
(平成21年7月  千葉県四街道警察署、成田税関支署)


平成21年7月、千葉県四街道警察署と成田税関支署は、グッチの偽造品を輸入し、販売したとして商標法違反と関税法違反の疑いで、茨城県ひたちなか市在住の無職男性(37歳)の自宅を捜索し、逮捕した。自宅からは財布など27点の偽造品が押収された。男性は中国からネットを通じて商品を仕入れ、小口の国際郵便で頻繁に自宅に郵送させていた。消費者の相談が警察署に寄せられたことから、警察の方でも調べを進めており、税関と警察が協力して事件化に踏み切った。

結果、無職男性に懲役1年6月、執行猶予3年の刑が確定した。


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