■事件簿2004

リメイクバッグついに摘発!
(平成16年4月  千葉県警と八千代警察署)


平成16420日、千葉県警と八千代署などは、海外有名ブランドのロゴ入りの紙袋を買い集めて勝手に加工し、リメイク品としてインターネット上で販売していたとして、和歌山県のカバン製造販売会社社長(40歳)を商標法違反の疑いで逮捕した。「リメイクバッグ」が商標法違反に問われたのは全国でも初めて。


(当該業者が製造していたバッグの一例)

被疑者は、ブランドの紙袋を自社工場で加工し、「あなただけのバッグ」と称してインターネットオークションを通じて、118千円から3万円で販売していた。会社の借金返済のためにはじめたという。ネットを利用して全国からブランド店の紙袋を1300円から2000円で買い集め、紙袋の裏側に補強材のしんを入れたり、表面をコーティングするなどの加工を施していた。昨年2月頃から約280個を製造し、販売分だけで約300万円の売り上げがあったとのこと。

430日、千葉地方検察庁は、上記カバン製造会社と役員の男性を商標法違反の罪で千葉簡易裁判所に略式起訴した。会社と被疑者は、千葉簡裁からそれぞれ
罰金50万円の略式命令を受けた。


偽ブランド品2,357点所持の暴力団幹部逮捕
(平成16年1月  北海道警組織犯罪対策本部、旭川中央警察署)


北海道警組織犯罪対策本部と北海道旭川中央警察署などは、平成16年1月14日、大量の偽ブランドを隠し持っていたとして、旭川市の暴力団幹部(覚醒剤取締法違反容疑で逮捕、検察へ送致)を商標法違反の疑いで再逮捕した。容疑者の男性(56歳)は、平成15年10月、自宅に覚せい剤を所持するなどした疑いで、逮捕、検察に送致されたが、この事件に関係して、容疑者が借りていた近くのアパートに警察が家宅捜索をしたところ、約10ブランドの偽造品のかばん、リュック、財布など約2千点を発見、これを押収した。偽ブランドは、約100個の衣装ケースや段ボールに商品ごとに整理され、アパートの部屋いっぱいに積まれていた。被疑者の自宅からは、他にも約300点の偽造品が押収された。

調べによると、容疑者は、偽ブランドを販売目的で保管するため、アパートの部屋を借り、数年前から旭川市を中心に偽物を販売していたという。本物として販売した場合、約一億円に相当するとみられる。これだけ大量の偽ブランドが一度に押収されたのは、過去5年間で道内でも最多

平成16年4月28日、旭川地裁は、暴力団幹部の容疑者に懲役7年を言い渡した。


偽ブランド品販売で二度の逮捕
(平成15年4月と平成16年2月 奈良県警察本部と田原本警察署)


平成15年4月8日

奈良県警と田原本署は、平成15年4月8日、インターネットオークションを利用し、偽ブランド品を販売したとして、田原本町の運送店手伝いの男性(29歳)を商標法違反の疑いで逮捕した。自宅を家宅捜索し、ルイ・ヴィトン、シャネル、グッチなど計6社の偽ブランド品
320点を押収した。大手プロバイダのオークションサイトで、ユーザーIDを約15種類登録し、偽物を販売していたという。男性には罰金50万円が課された。

一年後・・・平成16年2月

インターネットオークションを利用し偽ブランド品を販売したとして、奈良県警生活環境課と田原本警察署は、平成16年2月、商標法違反の疑いで、天理市豊井町の無職男性(32歳)と田原本町のダンプカー運転手(30歳)を逮捕。同法違反の現行犯で、住所不定の韓国人男性(30歳)を逮捕した。また、仕入れ先にしていた大阪市此花区内のマンションから
約2万点に及ぶ偽ブランド品を押収した。奈良県警が押収した偽ブランド品では過去最高。

警察は、その後、天理市豊井町の32歳無職男性と田原本町の30歳ダンプ運転手(ともに商標法違反で起訴)を
組織的犯罪処罰法違反(=犯罪収益の隠匿)などの容疑で検察へ追送致した。調べでは、二人は平成15年7月から12月までの間に、インターネットオークションで販売した偽ブランド品の代金約21万円を22回に渡り第三者名義で開設した郵便口座に振り込ませ、収益を隠した疑い。総額約9百万円に上るとみられる。

ダンプカー運転手(30歳)については、前年4月にも商標法違反で逮捕、略式裁判で起訴、罰金50万円の処分が下されており今回で二度目の逮捕となるが、逮捕・処分後も継続して販売を続けていた。もう一人の32歳の無職男性に「自分が表に出るとばれる。」と話を持ちかけ、数カ所の仕入れ先から落札者に郵送する作業や代金の管理を担当させ、本人は、オークションを担当し、商品をネット上に展示したり落札者とのやりとりなどをしていたという。処分結果はまだ出ていない。


パチンコの卸業者に有罪判決
(平成16年2月  徳島県警察本部と徳島東警察署)


平成16年2月13日、インターネットオークションで偽ブランドを販売したとして、商標法違反の罪に問われた徳島県土成町水田、雑貨販売会社「R」社長(55歳)と次男の同社役員(27歳)の判決公判が地裁で行われた。裁判官は、「商標権を侵害する会社(権利者)から警告を受け、消費者から苦情があったにもかかわらず、販売を続けた責任は重い」と指摘し、両者に懲役1年執行猶予3年を言い渡した。

両被疑者は、2002年5月頃から9月にかけて、インターネットオークションを通じて千葉県内の女性など偽の「グッチ」のポーチなどを販売。また高知市内のパチンコ店に対し、別の偽ブランドの財布などを販売していた。

2002年9月24日、徳島県警は、徳島、兵庫、大阪などの関連場所数カ所を同時に捜索、販売目的で所持していた偽物の「グッチ」、「プラダ」、「フェンディ」等の財布、ポーチなどを押収した。その後も、警察が16カ所に渡る会社やパチンコ店などから偽造品を押収または、任意提出を受けて調べを進めていたが、にもかかわらず両被疑者は継続して偽造品販売をしていた。このため、徳島県警は、悪質であると判断し、2003年10月2日、再度同事務所を捜索、社長と次男の同社役員及び女性社員の三人を逮捕した。女性社員は、平成15年10月22日、起訴猶予となった。

調べによると、「R」は、数年前から県内外の約60店舗のパチンコ店に景品として商品を卸していた。また別会社も設け、関連会社として、ネット上での商品販売をしていた。偽ブランド品約11万点をパチンコ店への景品卸しやインターネット上の競売で販売し、約10億円を売り上げていたという。

本件は、悪質性が高い上、「本物」、「並行輸入品」などと称して販売されている精巧な偽造品を扱っていたため、事件としても困難を極めたが、警察の粘り強い捜査により、2年越しの事件にようやく決着がついた。


●ホームページで3,000万円の荒稼ぎ、処分は罰金30万円
(平成16年10月  広島県警生活環境課と広島中央警察署)


平成16年10月4日、広島県警生活環境課と広島中央警察署は、偽ブランド品をインターネットのホームページで販売したとして、広島市安佐北区の会社員男性(34歳)を商標法違反で逮捕した。調べでは、平成13年6月から平成16年7月かけて、「THE FAKE」の名前でホームページを開設、「よくできた偽物です」などとうたって偽ブランドの写真や販売価格などを掲載し、偽ロレックスの腕時計を3万9千円で、偽ルイ・ヴィトンのパスケースを6500円で販売するなどした。銀行口座には、全国42都道府県から計約900回の入金記録があり、販売総額は、約3千万円に上るという。

被疑者の男性には、罰金30万円が課された。


偽ブランド品4,700点密輸
(平成16年10月  神奈川県警察本部、横浜水上警察署、横浜税関)


神奈川県警生活経済課と横浜水上警察署は、中国から大量の偽ブランドを輸入しようとしたとして、平成16年10月4日、中国籍で東京都台東区寿一の輸入会社「T」の社長(50歳)=東京都墨田区押上3丁目、同社の中国人女性社員(32歳)および同社取引先の埼玉県の日本人男性(56歳)の3人の容疑者を関税法違反の疑いで逮捕した。

調べによると、被疑者らは共謀し、昨年10月、中国・上海から「コーチ」、「ルイ・ヴィトン」、「グッチ」など八社の類似商標を権利者に無許可で付けたバッグ、財布など
約4、700点と生地2ロール(計約91平方メートル)をコンテナで東京港へ輸入しようとしていた。「クッション」などと中身を偽って輸入しようとしたが、税関職員が輸入品検査で申告外貨物を発見し、メーカーが鑑定した結果、精巧な偽造品と判明した。神奈川県警が押収した偽造品の量としては、過去最高という。三人は「知らない」などと容疑を否認している。仕入れ値は、約2、350万円で本物の約10分の1の価格であり、正規品として販売した場合は、約2億3、400万円相当に上るという。偽ブランド生地が密輸・摘発されたのは極めて異例で、県警は国内の生産拠点や流通ルートを追及する。



偽ブランド品密造工場2ヶ所を摘発!
(平成16年10月 警視庁生活経済課、月島警察署、東京税関)


警視庁生活経済課、月島警察署と東京税関は、平成16年10月、商標法違反行為の現行犯で、東京都足立区梅田在住の韓国人ら4人を逮捕した。韓国から、偽ブランド品の完成品や部品を密輸入し、足立区のビルの一室と葛飾区の一戸建ての密造工場で商品として仕上げて出荷していたという。部屋は少なくとも二年前から密造工場に使用されていたとみられる。室内には、財布やバッグなどの部品や完成品、ブランドの商標を刻印するための機械などがあり、密造工場二カ所から完成品だけで「プラダ」、「コーチ」、「クリスチャン・ディオール」、「フェンディ」、「ルイ・ヴィトン」、「ブルガリ」など約1万4千点の偽ブランド品が発見された。調べによると、被疑者らは、「製品をインターネットで販売したり、パチンコ店に売ったりした」と話しているという。

台東区の韓国人男性にあてて、9月中旬以降、韓国から頻繁に荷物が送られてくるのを不審に思った税関職員が中身を確認したところ、偽ブランド品と判明し、その後、密造拠点の摘発につながった。

(押収された偽造品の一部)


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