■事件簿2002

 2002年前半
2002年前半の主な刑事事件を紹介します。店舗から大量に押収した事件、テレビ通販での偽造品騒動、インターネット犯罪からそれぞれ話題の件を取りあげました。


大阪で偽ブランド販売 1万点押収
(平成14年4月 大阪府)


奈良署は、4月、偽ブランド品を販売目的で所持していたとして、大阪市生野区にある衣料品販売店を捜索した。韓国から観光ビザで来日していた男性(34)を商標法違反で逮捕し、店内に陳列してあった偽ブランド約1万点を押収。また翌日にも、同店の実質的な経営者である韓国籍の母親(62)を商標法違反で逮捕した。三月初旬頃、「偽ブランドの商品を販売している」との通報が寄せられたことから警察が内偵捜査をしていた。
店内では、バッグ、洋服、靴、時計、アクセサリーなど高級ブランド16社の偽造品を棚やワゴンに並べたり、ダンボール箱に入れたりして、販売目的で陳列し、本物の半額から四分の一の価格で販売していた。


TV通販でもニセモノ販売!?
(平成14年4月)


平成14年2月から3月にかけて、TV番組の通販コーナーで、相次いで「偽ブランド品が販売された」という事実が発覚し、関係したTV各局は、購入者から商品の返品・回収をする旨の通知を行った。またそれに伴い番組を中止・休止するなどの処置が取られて話題となった。
三重県警では、消費者からの苦情を受けて、上記の番組製作会社に商品を納入していた大阪市西成区の通販業者を、
商標法違反で4月に家宅捜索し、顧客関係の資料や通販番組で販売されていたものと同タイプの商品約100点を押収した。



増え続けるインターネット犯罪 
(平成14年6月 兵庫県・東京都)


警視庁ハイテク犯罪対策総合センターと杉並・本所両署は、6月、神戸市中央区三宮町に所在するブランドショップの経営者(男性43)ら2人を商標法違反で現行犯逮捕し、店内から、ヴィトン、エルメス、シャネルなど、10社の偽ブランド計1724点を押収した。
同センターでは、インターネットを悪用した偽ブランド品販売事件を捜査していたが、卸元として浮上したのが、上記の神戸店舗。また同店舗から偽ブランド品を仕入れ、ネット上で販売していた男性2人のうち、兵庫県加古川市の男性(32)が、7月に
商標法違反で逮捕、共犯の東京都港区在住の男性(38)も、7月に組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)容疑で、次々と逮捕された。後者の男性は、インターネットで偽ブランドを宣伝・販売し、昨年1月から今年5月にかけて代金計790万円を架空人名義の口座などに振り込ませて隠すなどした疑い。
二人は、インターネットで少なくとも三種類のネット通販のホームページを開設し、不特定多数の人物に宣伝メールを送りつけていた。またホームページでは、ブランドと商品名、写真などを掲載して偽造品を本物より格安で販売していた。


 2002年後半
2002年後半の主な刑事事件を紹介します。2002年はパチンコ景品の偽造品をめぐる事件が圧倒的なインパクトで話題を独占しました。

パチンコ店に衝撃が走る!
(平成14年9月 秋田県警察本部と秋田臨港警察署)


秋田県警察本部と秋田臨港警察署は、平成14年9月18日、商標法違反の疑いで、秋田市にあるパチンコ景品卸会社を強制捜索し、グッチ、プラダ、フェンディなどの偽造品約600点を押収した。また翌日、社長の男性(58)と同社専務の男性(53)二名を逮捕した。

同社はパチンコ店に景品を卸す会社で、東北地方の大手。偽造品を販売したパチンコ店は、東北5県で300店以上にのぼる。13億6千万円の売り上げの25%以上を偽ブランド販売によって得ていた。
パチンコ店で景品を受け取った客から「偽物ではないか」との苦情が相次いでいたという。


平成14年11月26日、秋田地裁は、被疑者二名に対し、それぞれ懲役2年、執行猶予4年、法人に対し罰金600万円の判決を言い渡した。

秋田県警と秋田臨港署は、その後も仕入れ先を継続捜査、平成14年10月30日千葉県浦安市のパチンコ景品販売会社社長(男性54)と同社営業部長(男性27)を商標法違反逮捕

結果、平成15年2月19日、秋田地裁は、両者に懲役1年、執行猶予3年、また社長が経営する会社2社に対し罰金各100万円の判決を言い渡した。

また、平成15年1月9日、大阪市の貿易会社社長(男性48)を逮捕。先に逮捕され、有罪判決を受けた千葉県浦安市のパチンコ景品卸業者に偽造品を販売した疑い。平成15年1月31日に起訴された。


偽グッチ販売で4人も逮捕
(平成14年9月 山口県下関警察署/広島・福岡)


山口県下関署は、平成14年9月10日までに、偽ブランド商品を販売目的所持していたとして、福岡県春日市および広島市内に所在するパチンコ卸売会社の社員4人を商標法違反逮捕、両社や下関市内のパチンコ店24店から偽ブランド452点を押収した。

調べによると、4人は平成13年12月から平成14年8月にかけて、山口県下関市内のパチンコ店5店に、グッチなどの偽造品(正規では2〜6万円の商品)を平均約9千円で販売していた。

◆さらにもう一人!
山口県下関署は、9月19日に、福岡市博多区の会社員(男性37)を商標法違反の疑いで逮捕した。同容疑者は、偽造品14点を販売目的で所持していた。先に逮捕された4人のうちの2人が勤務する会社の仕入れ責任者という。

◆そしてまた一人!
下関署は、9月25日、一連のパチンコ景品卸会社の関連で、広島市の雑貨卸会社専務(男性55)を商標法違反の容疑で逮捕した。調べでは、7月〜8月にかけて、9月上旬に逮捕された広島市の業者に対し偽グッチのバッグを販売した。

◆まだまだつづく逮捕劇!
下関署は、9月27日、大阪市の会社員(男性40)を商標法違反逮捕。5月と8月に、9月上旬に逮捕された広島市の業者に対し、偽造品を販売した疑い。


さらに追い打ち!
(平成14年11月 山口県宇部署/山口・大阪)


山口県宇部署は、11月6日、下松市のパチンコ景品卸業社長(男性46)を商標法違反逮捕した。02年5月から8月にかけて、14回にわたり宇部市内や下関市内のパチンコ店5店舗に偽グッチを販売した疑い。

その後、同署は11月22日、大阪府吹田市の衣類雑貨類輸入小売業の常務取締役(男性45)を、商標法違反の疑いで逮捕。同年3月から8月にかけて、16回にわたり下松市の景品卸売会社に偽ブランドを販売した疑い。


この時点で、すでにパチンコ関係者の逮捕者数は、公表されているだけでも、なんと14名にものぼった。

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